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「教育は愛なり」“進取の気象に富む”人材

 校祖・鶴虎太郎は私学教育の根本理念に「教育は愛なり」との結論を下した。
健全な精神と英知を身につけた学生を世に送り出すため教職員はともに心をあわせて学生に奉仕すべき立場にあると。その薫陶を受けた学生はやがて社会に奉仕する人間に成長するという信念がそこにはある。

  1956年、現大学の前身である広島高等電波学校はそうして創設され、爾来、この理念は永遠の礎として受け継がれてきている。
 とかく知識や技術が偏重される時代にあって、この大学はまず人格の錬磨を優先する。人あっての研究であり技術であるからだ。開学半世紀を超えた今日、成果は着実に実りつつあるようだ。
 
創立者が認めた「教育は愛なり」の 
碑文と胸像が高台から見下ろす
 

 記者が大学を訪れたその日、たまたま乗り合わせた電車の乗客から「鶴学園はわたしたち郷土の自慢です」と聞いた。広島市内の重工業に勤めるというその男性の広工大学生像とはこうである。

「広島には広島大学、広島女学院大学、広島修道大学、広島女子大学などがある中で、工大の学生気質はほかにないものがある。まず自分はなぜ入学したかをよく認知している。入学したくて入ってきている学生が多いのです。つぎに、自分は何が得意で何ができないかをはっきりと言います。できそうもないことをできると言ったりしない。社会に出たらどの分野で活躍したいかというイメージも学生時代にしっかり描いているように思います」
立派に自己概念が確立しているというのだ。

 戦後は瀬戸内工業地帯の最重点地区として重化学工業を基軸に発展を遂げてきた輝く歴史が広島にある。今ではエレクトロニクスやバイオテクノロジーなどの先端工業の中心都市として活気に満ちている。そんなテクノポリスの中心部にこの工業大学はある。学生への郷土の期待が自然と集まるのは道理でもあるか。

  前置きが長くなったが、地元から期待されるこの大学の心臓部・就職部を訪問した。
 繁多の折にもかかわらず気さくに就職部次長の植村邦彦さん(写真)が対応する。
(聞き手/森田基之)
就職部次長の植村邦彦さん 


森田: 年間を通じて就職行事が多いこととは思いますが、いくつかのオリジナリティーのある企画を紹介していただけませんか。

植村: どの大学でもそれぞれの実情に合わせた就職指導カリキュラムを考えると思いますから、参考になるとは限りませんが、質問をいただいたのでお答えします。まず就職は人生にとってとても大切なことなので「もり茂里学長と語ろう」という企画があります。茂里一紘先生から人生の話を直接うかがえる機会です。家庭でも大学でも、なかなか年輩者から良い話を聞く機会は少なくなったと思います。

本学は「人間教育」を標榜していますから、人の一生の価値とか、何に立ち向かうのかとか、正義とは何か、愛とは何か、という話に学生は惹きつけられます。参加資格は1年生から3年生までとしております。

森田: この大学らしいカラーを感じますね。

植村: つぎに、就職の決まった先輩たちから後輩がアドバイスを受ける時間をできるだけたくさん取っていることでしょうか。十分な効果が得られるよう配慮しております。同じ世代同士だと言葉が通じ合うんですね。先輩後輩のつながりもできていくのではないでしょうか。

森田: とてもいい企画のようですね。

植村: 3つめは「東京就活フライト」という企画です。

森田: それはどういう内容ですか。

植村: 端的に言えば、東京の企業見学会です。お金もかかるし、当初はあまり参加者がないのではないかと心配しました。ところが心配をよそにかなりの数があつまりました。

森田: 企画のねらいは「東京」にも就職先を広げようということですか。

植村: そうですね、確かにそれもありますが、大都会の企業を訪問しておけば、いざ本番という段になって物怖じしなくなると考えました。会社訪問は実際の仕事の現場を見せていただくので、とくに地方の学生にとってはとてもいい刺激になるようです。面接試験であがってしまうということも防げますからね。
 それに、マナーの勉強にもなるんです。キャンパスの中では自由に振る舞っていられます。しかし、会社や公衆の場ではキャンパスでは経験できないマナーが要求されます。それらをいちいち口で伝えることは不可能に近いと思います。その点、“体験”は何ものにも勝る教育の場です。
 「就活フライト」の写真が学内に掲示され
  学生たちの夢をふくらます

森田: 大都会を知らない学生が多いということですか。

植村: そのとおりです。本学の場合、出身県の構成を見ますと、70パーセントまでが広島県です。お隣の岡山や山口、四国の愛媛の3県を合わせて15パーセント、残りの15パーセントは山陰と九州です。関西や東京はほとんどおりません。ですから就職先を考える際も、地元志向偏重になります。広島から出たがりません。大学としては地元就職も大切であるが、関西や東京にも行って欲しいと思います。

森田: 参加者はちなみにどのくらいいるんですか。

植村: 昨年は11月下旬に実施しましたところ80名も申し込みがありびっくりしました。バスでは大変ですから広島空港から飛び立ったので地元の『中国新聞』にもニュースとして取り上げられたほどです。今年は120名になると予測しています。これだけの学生を引っ張っていくんですから、担当の井上貴志子さんをはじめスタッフの気遣いは大変だと思います。

森田: 最後にこちらの学生気質をどうごらんになっていますか。

植村: そうですね、“進取の気象に富んでいる”点を第一にあげたいですね。とにかくどんなことにでもみずから進んでやろうという性格は見ていて気持ちがいいくらいです。それと、“全体を見ながら”という姿勢です。バランス感覚がいいなあと思いますよ。

3つ目は、興味を持ったらとことん掘り下げていくという面をあげたいですね。全体を見ながらですから、いわゆるV字型人間というのとはちょっと違うんです。研究の虫になるというのではありません。視野は広く、そして新しい分野とか新しいモノに対して強い関心を示します。

森田: 理工系の学生には、豊富な知識を使いこなせない人が多いと言われますが、その点はどうごらんになっていますか。

植村: 本学の学生を見ていますと、食い下がるようにして知識を吸収しようと努力しているんです。その姿勢がいいと思いますね。広工大の学生に期待を寄せてくださる企業は、優秀なブレーンに育つのが楽しみだと言われます。きっとそういう姿勢を見抜いているのではないでしょうか。
  理工系大学では珍しいほどに
  学生たちは就職部を活用している

《取材後記》

 丘の上にそびえ立つ白亜の学舎。地元から信頼され期待されるこの大学から“進取の気象に富む”人材が陸続と輩出されていく。その中には広島空港から東京は否、世界にフライトしていく人材もやがて多くなることのように思えた。人材は時間をかけて丁寧に育てるもの――その創立者の意志「教育は愛なり」の言葉が碑に刻まれ、瀬戸内の光に輝いていた
 
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