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採用試験問題研究会 ミニ用語辞典
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 2月26日、トリノ冬季五輪が終了した。海外の冬季五輪で最大の112人という選手団を派遣した日本ではあったが、メダルはフィギュアスケート女子の荒川静香の金1個だけとなった。しかし、荒川やメダルには達しなかった女子選手たちの活躍ぶりは、日本の女子スポーツ界のレベルの高さを世界の人々に知らしめる絶好の機会となった。

日本女子体育大学からは日本初のオリンピック女子メダリスト・人見絹枝さんを排出している(二階堂体操塾卒業)。1922年、二階堂トクヨによって創立された日本初の女子体育専門学校がこの大学の前身である。体育技術と理論と教養の三本柱を建学の精神とさだめ、今日まで数えきれないほどの体育指導者、競技選手、舞踊家たちを送り出してきている。まさに“日本女子スポーツ界の拠点”としての役割を担ってきたのがこの大学なのである。

スポーツ界には「より速く、より強く、より高く」を目指せという長い少数教育時代のトンネルがあった。しかし今日ではそのトンネルを抜けて「スポーツの大衆化」時代へと突き進んでいる。女子スポーツ界も同じである。この変化と共に卒業生の就職先にも変化の兆しが現れてきている。これまで少なかった一般企業からの求人増である。

2月21日、朝日新聞の夕刊では日本女子体育大学を取り上げて“変化”の兆しをこう報道している。

ある不動産会社の採用担当者の声――

「体育大とは縁遠い業界に思われがちだが、採用では『一生懸命やれる』ことを重視している」
幅広い層からの女子学生の人材獲得を考えるとき、まっさきに「日本女子体育大学の学生に白羽の矢を立てた」というわけである。

取材で大学構内に入ったとたん「こんにちは!」と元気な声を学生たちからかけられ、思わずこちらもあわてて笑顔を返したが、元気な挨拶など普段の教育においてあたりまえのこととして行われている様子が伺える。日本の女子体育教育の名門大学だからと言ってしまえばそれまでだが、何がこの大学の学生たちをこのように生き生きと輝かせているのだろうか。就職課長・安田伊佐男さんのはからいで就職部長の平井由美子教授に面談させていただき、学生や教員の意識の変革と取り組み方の実務について語ってもらった。
(記者:森田基之)

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記者 一般的な学生イメージと違って、溌剌としたものを感じました。体育大学だからあたりまえとも思えないのですが……

平井部長 ありがとうございます。おっしゃる通り溌剌としています。これはカタチだけそうしているのではないのです。彼女たちの心がいつも前向きですから、内面から溌剌となってくるのだと思います。

記者 前向きにさせる何かがあるということですか。

平井 彼女たちは体を動かすことがとても大好きです。動くということはすなわち行動です。なぜ行動するかといえば、その先に目的があるからです。

記者 では、ひとり一人に目的を持たせるように指導しているということですか。

平井 目的を持たせるように教育するのは教職員のみんなが心を合わせなければできません。その目的も明確であればあるほどいいと思います。教員になりたいとか、スポーツ選手になりたいとか、何かを探求したいとか、社会で役立ちたいとか、それが彼女たちの進むべき道となっていきます。そこから行動が生まれます。その行動を支えてあげるのも教職員の努力です。

記者 自分の人生の目的を持たせるためにどんな工夫をしているのですか。

平井 キャリア形成を考える時間を全員に与えています。といっても授業時間以外の時間を使うしかありません。しかし、毎夜遅くなるまでみんなクラブ活動やダンスに一生懸命ですから、なかなか自分で考えなさいといってもそんな時間がとれません。そこで、キャリアセンターの教職員がクラブやクラスごとに出向いて行って、ひとり一人の立場に立ってキャリア形成のためのプログラムを一緒に考えてあげるようにしています。

記者 教員と就職課の連携はどうなっていますか。

平井 そこのところがとても大切です。本学では非常にうまくいっていると思います。まず、教員は就職委員会という組織で構成されます。就職委員会と就職課は月に1回ミーティングをします。企業動向の情報は就職課がどんどん話してくれます。両組織の話し合いの中から「キャリア開発プログラム」ができあがったのです。

記者 それはどんな内容ですか。

平井 「さわやかで健やかな社会作りを推し進める女性を育てる」ことに目標を置いたプログラムで、1年生の入学したときから卒業するまで、そのときどきにふさわしい内容で構築されます。

記者 少しだけ内容を教えていただけませんか。

平井 そうですね、まず1年生のときには、働くことの意味とか、自分の基礎知識がどれくらいあるかを知ることを学ばせます。たくさんの人と関わり、社会の動きを知り、自分にできることに何か1つでもいいから打ち込んでもらいたい年ですね。2年生になったら、それをもうちょっと高めるように努力してもらいます。このときにキャリアデザインをしっかりさせないといけませんね。3年生になったら具体的に進路を固めなければいけません。そして就職する人はそのための準備にとりかかってもらいます。4年生では社会人になる直前ですから、それなりの心構えと準備をしてもらいます。

記者 最後になぜ企業から熱い視線が注がれるようになったのでしょう。

平井 一つは先輩たちが企業に入ってとても頑張ってくれていること。二つにはマナーもいいし、基礎学力や基礎技術も備わっているし、社会知識も豊富なうえ、さらに徹底してスポーツやダンスなど体を動かすことに打ち込んできたという実績が「役立つ学生」と期待されるようになったことではないでしょうか。


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【記者後感】
ひと昔前なら体育系の学生ということで企業はあまり欲しがらなかったし、また学生も教員志望が強かった。しかし、この5年間のキャリア教育ですっかり変わった。実際にこの大学の学生を採用した企業が、高い能力を感じ取ったからだ。

また、学生の視野も広くなった。学生数は1学年約600人で小規模である。またそこが熱い視線を浴びる理由のひとつになっているようだ。4年間片時も休ませてくれない支援教育プログラムが学生にとっては充実感につながっている。ついスポーツというと勉強はあまりしないのではないかと社会は考えてきた。ところがこの大学においてはその考えはまったくあてはまらない。

図書館の充実は目を見張る。いかに読書量が多いかも歴然である。いつ寝ていつアルバイトをしているのだろうかと不思議になるくらいである。朝、6時半、今日も元気な若い声がグラウンドにはじける!
 
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